8月26日(火)
ブラジル沖縄県人会(宮城調智会長)の移住九十五周年記念行事の一環として、「第一回国際女性フォーラム 聞御候(チチミソーレ) 沖縄県人(ウチナーンチュ)の声」が二十二日、スダメリス銀行講堂(ブリガデイロ・ルイス・アントニオ通り二〇二〇)であった。日本から稲嶺恵一・沖縄県知事らを迎え、シンポジウム形式で行なわれたフォーラムには約三百人が来場、「教育」をテーマに活発に意見を交わした。
フォーラムでは日本、ブラジル、ボリビアの有識女性がそれぞれの意見を発表。第一部は坂本久場あやこさん(コレージオ・ブラジリア校長)で始まった。近代的な家庭環境に適応するため、同校では専門家による講習や外部コンサルタントを積極的に招へい、また、日系社会特有の出稼ぎ問題などを取り上げ、フォローアップの必要性を説いた。
比嘉アンナ・マリアさん(サンパウロ市教育局元監督官)は、学校暴力への施策として、「教育者は形成中の人間に対し、役割をはっきりさせなければならない」と発表。サント・アンドレーから出席した山城千枝子さん(うるま婦人会顧問)は(一)教育施設の充実(二)教師の資質向上(三)教師の待遇――を例にあげ、「国家の重要課題に取り上げて欲しい」と訴えた。元教師の小波津千代子さん(ヴィラ・カロン婦人会顧問)の発表では、五十年前、沖縄で教鞭をとっていた時の教え子でブラジル移住者六人が紹介され、会場を沸かせた。
第二部では具志堅エリザベッチさん(連邦政府公報局長官夫人)が沖縄女性の有能さを称賛。当間富重千鶴さん(産婦人科ドイツ生物医学専門医)は「健康と食事」をテーマに、「集中力のない子どもは食事法で変わる」と力説、加工食品を控え、穀物の摂取を呼び掛けた。沖縄から来伯の伊波輝美さん(県出納局長)は児童虐待について報告、「暴力ではなく、躾けの言語化が必要」とした。最終発表者の赤嶺千壽さん(県婦人連合会会長)は三万五千人の会員を擁する組織の首長。「組織が各市町村で動いているから、大きな事業もできる。普段の活動が大事」と呼び掛けた。(七面に関連記事)