8月26日(火)
ブラジル将棋連盟(中田定和会長)主催の第五十六回全伯将棋名人戦が二十四日、サンパウロ市リベルダーデ区の将棋会館で開かれ、サンパウロ市をはじめ、ベレーン市(PA)、クリチーバ市(PR)など全国各地から九十人が参加した。五段以上の名人戦では、青木幹旺さん(七〇)が優勝、同戦十二回目のタイトルをとった。
名人戦は最強戦、老中戦、王将戦と並ぶ、ブラジル四大タイトルのひとつ。例年、百人以上が出場していたが、今年初めて百人を割り、将棋愛好者の高齢化と後継者不足を改めて認識させられた。
開会式であいさつに立った中田会長は先月末のフェスチバル・ド・ジャパンに言及、「将棋連盟のブースに多くの人が足を運んでくれ、将棋の普及に役に立った」と述べた。
その一方で、「名人戦には毎年、百二十人が参加していたけど、今年は出場者が減少して寂しい」と四年後に迫った六十周年記念に向け懸念を表明した。
対局は段別に五部門。このほか親睦戦も組まれた。名人戦で優勝した青木さんは「長い間、病気で体調が悪かったけど、良い結果を出すことが出来た」と笑顔を見せた。老中棋聖などを合わせると今回が三十五回目のタイトルになる。
高嶋ロベルトさん(名人)は三位に終わり、タイトルを守ることは出来なかった。
名人戦以外の優勝者は次の通り。親睦戦A=槙田博、B=志田昌昭、初段・段外=山田勇市、二段=松浦正将、三段=村松宏、四段=小原康宏。敬称略。