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福岡県人会内紛解決へ一歩=来伯県議〃鶴の一声〃裁き

8月28日(木)

 係争中の福岡県人会(渡部一誠会長)の内紛が法廷外での解決に向けて動き出している。
 今月六日に福岡県から自民党の藏内勇夫県議が調停のため来伯。渡部会長に対し改革派の追放などを訴えた裁判の中止を要求するとともに、改革派には三十一日に予定していた会長解任のための臨時総会を中止するよう促した。県議は両者がこれを受け入れない場合、県に「盾付いた」と判断、何らかの処置を執ると厳しく勧告し、事態収拾を図った格好だ。
 改革派は当初県議に反発、渡部会長に引責辞職を迫る姿勢を崩さなかったが二十七日来社し、「将来の県人会のことを考え県の意向に従う」と苦渋の表情で語った。ただ、「渡部会長の免責を意味するものではない」と強調。▽理事会を無視して農業実習生制度を休止した▽総会を通すことなく県知事に偽った公文書を送付した▽県人会を混乱させたーなどの責任は依然として残るとした。
 同日時点で、渡部会長が告訴を取り下げるかどうかは明らかになっていないが、「県に盾」つけば助成金(年間百万円)カットにも繋がりかねず、訴訟取り下げも予想される。改革派が態度を軟化させたこともあり、来年二月の役員改選までは渡部会長が任期を全うする方向で合意にこぎつけそうだ。