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農業交渉先送りか=WTO 合意の見通し立たず

8月29日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】カンクンでのWTO閣僚会議を約二週間後に控えた現在、農業交渉に決着をつけるために新たな閣僚会議が〇四年三月にジュネーブで実施されるのではないかという強い憶測が飛び交っている。
 ブラジルを含む多くの国の代表がこうした非公式な観測の存在を認め、コレーア・WTO交渉担当ブラジル代表は九月実施のカンクン閣僚会議で農業交渉が「合意に達する」見通しが現段階ではないと述べた。
 数日前にWTOが提出した、カンクン宣言の草案をどうするかについての文書には、先進諸国の農業補助金は大幅にカットされる可能性は低く、さらにどこまでヨーロッパ諸国と米国が輸入関税を引き下げるかが明確ではないと記されている。同文書がカンクン会議で最大限利用されるよう、米国とEUが圧力をかけてくるのは必至だ。
 ロドリゲス農務相はブラジリアで「どの文書も合意できるものではない。WTOの決定が合意に基づいてなされるため、カンクン会議で農業問題が前進する可能性はほとんどない」と述べた。
 全国農業連合(CNA)のベラルド国際部長によると、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ四カ国の企業はメルコスルがWTOの発行した文書を拒絶するよう自国政府に求めた要望書を提出するという。
 コレーア代表はWTOの文書が「合意に向けてのたたき台とはならない」と述べ、補助金大幅カットを求める提案を交渉議題に乗せ続けると強調した。