8月29日(金)
豊かな緑とテーラ・ロッシャが素晴らしいコントラストを見せるアリアンサの平和な午後、ヘリコプターは爆音とともに、第一文化体育協会の野球場に降り立った。
乗ってきたのは、六十二年ぶりの里帰りを果たした田島幸男さん(六九)=二十八日付詳報=。見物に来た婦人は「ヘリがきたのは、小林パウロの選挙活動の時以来」と舞い上がる土煙りに顔を覆う。
田島さんは、「サンパウロに帰る前に、第一の日本語学校生徒たちをヘリコプターに乗せてあげよう」と提案。
しかし、操縦者の「燃料や時間的な問題で全員は無理」との言葉で、三十人近い生徒の名前を書いた紙を袋に入れ、くじ引き方式で選ばれた十六人が上空を舞った。
現在同校で日本語の指導にあたっているJICA日系社会ボランティアの遊川章宏さんは、苦笑いしながら「授業ではこんなことないんですが、今日は全員来てますね」。(剛)