8月30日(土)
パラグアイ日系老人クラブ連合会(三井波夫会長)は、二十四日午前九時半からパラグアイ神内日系社会福祉センターで「創立二十周年記念式典」を催した。ブラジル日系老人クラブ連合会(重岡康人会長)から駆け付けた三十四人に加え、イグアスー、ピラポ、アマンバイ、チャベス移住地など九つの老人クラブから合わせて約五百人が出席した。
須藤紀夫在パ日本国臨時代理大使や国際協力事業団パラグアイ事務所から斎藤寛志所長、パラグアイ日系社会福祉協議会から小田義彦会長、パラグアイ日本人会連合会から小田俊春会長、在パ都道府県人会連合会から白沢寿一会長らコロニアの中心人物が参加した。
式典に先だって故笠松尚一氏と(財)国際協力財団の神内良一氏の胸像除幕式が行われた。式では、小田義彦会長に続いて、故笠松氏の長男信吾さんが「父の胸像が出来たのは大きな喜びで、光栄なこと」とあいさつした。
式典は開会の辞に続いて、先没者の霊に黙祷、パラグアイ・日本の両国国歌斉唱。続いて行われた式辞では「八三年に同会が、八九年には南米日系老人クラブ連合会が結成された」と歴史を述べた上で「九〇年からは日本老人クラブ連合会に援助を頂いた。また、九五年には神内氏より五十万ドルの寄付などを受け、現在のセンター建設をすることができた」と感謝した。最後に「人生経験と社会理念をふまえて、今後の生活を楽しみたい」と締めくくった。
来賓祝辞では、六人があいさつ。須藤代理大使が「パラグアイの歴史を振り返ると、日系人がこれまでに果たしてきた役割を、評価しないわけにはいかないだろう」と評価。ブラジルから駆け付けた重岡会長は「移住者の運動によって在外選挙権を勝ち取ってきた。今後も、色々な問題を諸クルビで力を合わせて解決する必要がある」と呼びかけた。
終盤では、十人の功労者表彰、六十一人の高齢者表彰に続き、岡田渓子シニアボランティアが記念講演した。その中で、日本での民生委員制度の導入を提言した。民生委員とは、社会福祉の増進のために、生活困窮者の指導にあたることを職務にするもの。「出産や子育てなどの、身近な悩みを相談できるような委員が必要だ」と具体策を述べた。
その後、行われた祝賀会にはルイス・フェデリコ・フランコ・ゴメスセントラル県知事、岸フスタセントロ日系人協会会長らが出席。ルイス県知事は「今回の招待は非常に名誉で、日系人に対する尊敬をあらわす機会になった。高齢者たちは、大いにレクリエーションなどを通じて、楽しく生きて欲しい」とあいさつした。その後、ピラポ和太鼓保存会の和太鼓などが披露され会場を盛り上げていた。