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党利党略で人事=政府職員の七割に与党の息

9月2日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八月三十一日】ルーラ政権が始動して以来、連邦政府高官を任命する際に労働者党(PT)政府が採用した方法は「ブラジルの優秀な人材からなる最も優秀な省庁を政府は有する」というルーラ大統領の厳粛な公約を反映したものではない。
 実際、就任した大臣と大統領府補佐官たちは、主にジルセウ官房長官の執務室で数週間集中して続いた作業―政府中枢部の重要ポストを党利党略で決める作業の結果を表している。
 全国に広がる政府関係職員の役職二万二千ポストのうち、七〇%に当たる一万五千四百ポストが政治的理由に基づいて、PTや与党党員に占められ、残り三〇%、六千六百ポストは能力が理由で任命されている。
 これらの数字はジェノイーノPT党首がエスタード紙に明らかにしたものだ。「選挙に勝利して何も変わらないのか? 選挙は誰のために行われるのだ? 七〇%にとどめようではないか。残り三〇%は前政権から継投している優秀な職員だ」。
 省庁内がたった一党で埋め尽くされるのを避けるため、ルーラ大統領は事務局長とそれに準ずるポストは他党が占めなければならないという、「平準化」と呼ばれる仕組みを生み出した。しかし、もめることなくPTの推薦した事務局長を拒否したのはジル文化相だけだった。
 ジェノイーノ党首はペトロブラス、連邦金融公庫、ブラジル銀行、電力会社には党利党略による任命はないと自慢した。財務省も例外の一つだが、実質的に同省はルーラ大統領に支配権を握られている。