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子供用シートベルトに欠陥=衝突した時に伸びる

9月2日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙】カンピーナス総合大学工学部が実施したテストで、市販されている子供用シートベルトが衝突の際に子どもをしっかり固定するという機能を果たしていないことが確認された。
 同学部修士課程に在籍するロマーロさんは「子どもをチャイルドシートに座らせられない両親へ朗報」としてテレビで放映されたレポート番組を見て驚いた。子供用シートベルトは子供たちをシートに固定せず、後ろの座席に子供が寝転がることさえできたからだ。
 市販の子供用シートベルトに欠陥が多いにもかかわらず、毎月七万点以上が販売されているとロマーロさんの指導教官、アルーダ教授は話した。この種のシートベルトはブラジルだけにあり、世界中で使用を認められている犬のシートベルトに基づいて製品化されたという。「動物が逃げないといった別の目的をこうしたシートベルトはもつ」。
 子どもを想定した人形を使った衝突テストでは、衝突の際、人形は飛び回り、室内の天井や側面にぶつかった。子供用シートベルトはちょっとしたブレーキをかけた時だけ、人形を支えた。
 「子供用シートベルトは子どもをしっかりと固定せず、欠陥があるという結論に達した」ことをロマーロさんは明らかにした。「さらに、同シートベルトは装着を前提としていない後部座席の取り付け部分を利用して装着されていた」。
 同テストはすでに反響を呼び起こした。アルーダ教授は検察庁にテスト結果を報告し、同シートベルトの効果に疑問があり、開発責任者を明らかにするよう企業に求めた。開発・製造企業は対策を打つことを約束し、『シンチーニョ・ダ・エリアーナ』を製造するナボノット社と、ジアルプ社の二社は即刻製造中止を決定した。『ベビーベルト』を製造するベルトカー社は同製品が自動車のシートベルトと同じだけの固定性があるとして、まだ安全の検証を行っていない。