盛和塾連載の取材中、色々な話を聞いた。作れば売れる好景気で材料不足の時、紳士風のブラジル人から「ポルトアレグレに輸出しそこなった材料があるから、買いに来ないか。ただし現金で」と電話。計算するとかなり安い。早速、大金引っさげて会計係の相棒と飛行機で駆けつけると、待合わせ場所は取引額に見合わない安ホテル。一抹の不安を感じ、相棒を残して自分は別のホテルへ。
翌朝、相棒から「誘拐された、金持ってきてくれ」との電話。しかたなく例のホテルに向かうと、塾生も銃を突きつけられて拉致され、どこかの倉庫へ。金は奪われたが、幸い命に別状はなかった。まるで小説のような話だが、「ライバル企業に雇われた警察官じゃないか」とも。企業の仁義なき戦いは、一筋縄ではない。 (深)
03/09/03