9月4日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】国際金融の心臓といわれるウオール・ストリートに、世界各地の金融市場動向を決める一団のアナリストがいる。途上国の経済事情が、このアナリストの一存で振り回される理不尽な金融制度がまかり通っている。
ブラジルの政治家や企業家は、このアナリストらが実態もわきまえず想像で、途上国の為替率やカントリー・リスクをはじき出すことに憤っている。しかし、このアナリストの一存が最近、ますます重要度を増して途上国の努力をよそに、その経済をほんろうする。
一億七千万人のブラジル国民が額に汗して築いているブラジル経済のカントリー・リスクは、これらアナリストのさじ加減で決まる。事務的に算出されたカントリー・リスクがウオール・ストリートで途上国経済の寒暖計として登用される。国債価格や基本金利、インフレ率、果ては庶民の生活まで、それに影響される。