9月5日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市は三日、「抗議デモ」と「正面衝突」で明け暮れた。サンパウロ市南部のエリオポリス・スラム街の住民四百家族は、エリオポリスに建設中の団地ビル三棟を不法占拠していた。裁判所は一日、十日以内の立ち退き命令を通告した。
スラム街住民は立ち退きに抗議して二日夜、ビル前のリオ・ダ・プラッタ街にタイヤや廃材を積み上げて点火した。消化のために駆けつけたサンパウロ市交通公社(CET)の車両が焼き打ちされた。次ぎに到着したパトカー七台にも投石して車体を破壊した。この衝突で軍警十人が負傷、住民も六人がけがをした。一人は軍警の威嚇射撃で負傷した。また同街の街灯は、投石によって壊された。
建築工事を監督している住宅公社(COHAB)代表は三日、住民代表を招き占拠した住民全員を記録して善処することを約束した。工事中のビルは崩れる可能性があるので即時立ち退くよう要請し、住民を納得させた。
一方サンパウロ市庁前では三日朝、三千人の市民がペルース区とピリツーバ区の託児所と幼稚園の建築工事を中止したことで抗議デモをした。PSDB所属の市議が中心となって全員黒装束で葬儀の仮装行列を行った。市は工事を再開して、任期終了までの完成を約した。
同市庁前は第一グループの抗議デモが終了しないうちに、セー広場からサンパウロ市庁前へ向けて行進してきた第二グループの露店商六千人が同時刻、到着して混乱した。第二グループは、早く市庁前広場を立ち退くように要求した。
街路を通行止めし、広報車にスピーカーを据え付けマルタ市長を罵倒(ばとう)したり、低俗な替え歌を吹き込んだ流行歌を放送しながら第二グループのデモ行進が到着した。市は一連のデモを、次期地方選挙に向けた政治的イヤガラセだとみている。
市庁前広場は地方選挙が近づき連日の抗議デモで、お祭り騒ぎとなっている。多数の屋台が出て、大繁盛と喜んでいる。