9月6日(土)
【時事、エスタード・デ・サンパウロ紙五日】ブラジル連邦下院は四日未明の本会議で、政府が提出した税制改革関連法案の骨子について第一回採決を行い、賛成三百七十八、反対五十三で可決した。
ただ、同案に対して野党側から約四十の修正案が提示されており、各圧力団体を巻き込んだ交渉は、これから本格化することになる。
議会では今後、修正案を個別に審議して表決。修正協議終了後、本会議で第二回採決に付し、可決されれば上院へ送られる。
同法案の主要改革ポイントは商品流通サービス税(ICMS)の統廃合で、四十四あった税は最高税率を二五%とする五つの税に統合された。また、金融取引暫定納付金(CPMF)の現在の税率〇・三八%と、連邦政府が連邦税の二〇%を自由に行使できる連邦税譲渡制度(DRU)の二〇〇七年までの延長も、今回可決された同法案の骨子に含まれている。
しかし、上院では同法案骨子の抜本的見直しが行われる見通しだ。下院議員が州知事側に立つ傾向が強い一方、上院議員は現州知事の後継者を狙う、対立者となりうるからで、同案の出身州に影響を及ぼす点については、上院議員たちは揺さ振りをかける可能性が高い。上院での同案可決はブラジル民主運動党(PMDB)にかかっており、政府は下院同様、同党の不満に対処する必要がある。