軍警大隊に女性司令官=〝スカートの中佐〟4人=大サンパウロ市圏の治安守る
9月6日(土)
大サンパウロ圏で、4人の女性が軍警大隊を指揮している。女性たちは皆中佐ばかり。大佐を最高級とする軍警の階級では中佐はその下。現在サンパウロ州では、8200人の婦人警官がおり、うち318人は士官である。大佐は2人、中佐は6人いる。
サンパウロ市中心部にある軍警第13大隊の第26代司令官は、アンジェラ・M・G・ヴァスコンセーロス中佐(四〇)。過去30年間で初めての女性司令官だ。歴代の二十五人の司令官はすべて男性だった。
20年間勤めているある軍曹が、肩に三ツ星(中佐のシンボル)のあるユニフォームを着たアンジェラ中佐を見て思わず、「あなたがこの大隊の新しい司令官ですか? 驚きました。女性が指揮するのは初めてです」と言ってしまったほど。女性が司令官になり始めたのはつい最近のことである。
現在大サンパウロ圏にある軍警大隊は83隊あり、うち4隊が女性司令官の指揮下にある。第13大隊のほかにも、第30大隊(大サンパウロ圏マウアー市、リベイロン・ピーレス市、リオ・グランデ・ダ・セーラ市を管轄)、第34大隊(サンパウロ市中心部)、第23大隊(サンパウロ市ピニェイロス区)がその例だ。
サンパウロ州での婦警パトロール隊は48年前に初めて設置された。1955年、同州の婦警数はわずか13人だったが、現在では約8200人に及び、総警官数(9万1千人)の9%に相当する。
女性司令官が任命されるようになったのは3年前からだという。「警察内での女性の職場進出は少しずつ拡大されていった」と、4月に第23大隊司令官に着任したマルリー・モレーノ中佐(四二)は話す。
法律では、女性はまだ総司令官の座に就くことはできない。軍警制服を着た男性がタバコを吸うのは問題ないが、2年前までは女性が同じことをするのは許されなかった。現在では、警官のマナー指導は男女平等だという。
2000年、パトロール隊が男女混成になり、ファッチマ・R・ドゥトラ中佐(三八)が、初めての女性司令官として第30大隊を創設した。
第34大隊のヴィルジーニア・M・V・M・オルテーガ中佐(三九)は四月、司令官に着任。パウリスタ大通りの軍警キャビンは同大隊が管理している。
〃スカートの中佐〃と呼ばれる4人は、厳しくもなく甘くでもなく、ほどほどに大隊を指揮していると言明。4人のうち2人は軍警と結婚しており、3人は職業的や個人的な問題を考慮して子供を作らないことにしたという。
(アゴーラ紙7月20日)