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外国人の観光客数が減少=貧民街も興味の対象

9月6日(土)

 【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙8月21日、エスタード・デ・サンパウロ紙7月8、13、21日】ブラジル観光公社(Embratur)の年間観光調査報告書によると、昨年ブラジルを訪れた外国人観光客が、2001年と比べて20・7%減少した。アルゼンチンの経済危機の影響が原因だと同社は指摘している。
 昨年、訪伯した外国人数は378万3千409人。01年の477万2千575人よりほぼ100万人少ない。
 この100万人のうち、68・5%はポルテーニョ(ブエノスアイレス人)である。主にラ米諸国の観光客が減ったことが、ブラジル観光界に打撃を与えたとされる。
 Embraturのジョゼ・フランシスコ・ロッペス調査部長は、「アルゼンチンの経済危機が、ポルテーニョ訪伯の足を奪ったと言える。だが、アルゼンチン人は依然として訪伯観光客のトップである」と説明している。次いでアメリカ人、ドイツ人、パラグアイ人、ウルグアイ人となっている。
 同報告書によれば、アメリカ大陸以外の場所から来る観光客の数は変わっていない。昨年のアメリカ人観光客数は、前年比6%増の69万6千人を記録している。
 外国人がよく訪れるブラジルの主な観光地は、リオデジャネイロ(38・58%)、サンパウロ(20・84%)、サルバドール(12・76%)、フォス・ド・イグアスー(9・28%)、レシフェ(8・24%)。外国人観光客の51・21%が訪伯目的を「レジャー」と回答。興味深いことに、96・12%は、「またブラジルに来たい」と答えている。
 外国では、少々変わったブラジル観光ルートを紹介している。
 アメリカの「グローバル・エクスチェンジ」は、一般的な観光ルートのほかに、ブラジルの社会問題と化している「土地なし」こと農地占拠運動(MST)との会談や、政治汚職問題や大都市の公害問題についての講演会、リオの貧民街巡りもパックに入れている。リオの貧民街の多くは高い丘(モーロ)にあるので、リオの絶景が見られる。
 また、ヨーロッパでは、ブラジル北東部の貧しい地域を訪れる観光ルートがはやっているとか。これは、北東部を舞台にした「エウ、トゥ、エレス(直訳=私、彼、彼ら)」「アブリル・デスペダッサード(直訳=引き裂かれた4月)」などのブラジル映画のおかげである。