9月9日(火)
【既報関連・エスタード・デ・サンパウロ紙八日】メキシコのカンクンで十日に開催される第五回WTO閣僚会議は、ブラジルの主導の下、南ア、インド、オーストラリア、フィリピン、タイや中南米諸国などの二十カ国が集結したG-20と米国・EUとの泥試合の舞台となりそうだ。
ドーハ・ラウンド全体に影響を及ぼす同会議では、先進国の農業市場開放と農業補助金廃止が先送りされる見通しで、同会議での交渉が決裂する可能性もある。
会議前日の九日にG-20の閣僚たちはケアンズグループの協力を取り付けるために再び会合を開く。米国とEUは日本と六カ国グループと呼ばれる昔からの保護貿易主義国の協力を当てにしている。
G-20の提案を米国、EUにどう受け入れさせるかが途上国側の問題の焦点だ。G-20は輸出補助金の段階的全廃、農業生産者への栽培面積に応じた補助金の廃止と補助金全体の上限設定、外国市場の輸入関税引き下げと熱帯農産物への関税ゼロを提案する一方、米国・EUは輸出補助金全体の継続、栽培面積に応じた補助金の承認、製品種類別の輸入関税引き下げを提案している。
しかし米国・EUとG-20の提案内容がかけ離れているにもかかわらず、両グループの提案は具体的な数値や詳細については何ら触れていない。
同会議の主要参加国は決裂だけは何としても避けたい考えだ。もし決裂すれば、六カ月間の交渉中断と相互貿易体制の崩壊を避けるためにWTO加盟国の「最大限の努力」が必要となるだろうとアモリン外相はみている。