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陸の孤島でもIT利用=セアラ州=太陽光発電し子女教育

9月9日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙】セアラ州フォルタレーザ市から百三十七キロ離れたトゥライリ市アウメーセガス地区では電気より早くインターネットが使えるようになった。
 まだ灯油ランプを使っている住民約六百人は驚きととまどいを隠せない。コンピューターネットワークに接続するために太陽光発電で生み出された電気が利用されるが、それはブラジルで初めての試みだ。
 インターネットに接続するため、三台のコンピューターがサンタ・ルイーザ小中学校の『アウメーセガス・デジタルソラーセンター』と名付けられた教室に設置された。校庭には八五ワットの発電能力がある太陽光パネル十枚が設置され、毎日八時間コンピューターに電気を供給する。学校の前には据え付けられたアンテナがトゥライリ市中心部に電波を送り、そこからは光ファイバー・ケーブルで情報がフォルタレーザ市にあるテレマール社のインターネット網に入る。子どもたちの朝昼晩の授業に、市役所の諸手続きにコンピュータは利用される。
 アウメーセガス地区は陸の孤島と言われる貧しい農村だ。教会や保健所もなく、村で最も大きく立派な建物は学校。冷蔵庫やテレビのある家は一軒もない。わずか二キロ引っ張っるだけでいいのに電気は引かれていない。二十キロ離れたところに豊かな観光地、プライア・デ・ラゴイーニャがある。
 同校のメネゼス・教育コーディネーターによると、近隣の観光客とテレビが若者たちに悪影響を及ぼしているという。「へき地の村なのに、若者が麻薬や売春にかかわっていることが確認されてきた」。コンピューターを学校に設置するというアイデアはそこから生まれた。「もっとすばらしいことに若者の関心を向けなければならない」とメネゼスさんは話した。