9月10日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】イラクでの死者が増える中、米軍は米国市民権を持たない数千万人に上る不法移民を含んだ、中南米諸国出身者をますます自軍に取込みつつある。イラクでの死者約三百人のうち十人以上が米国市民権を所持していなかったという。
米軍には三万七千人を超える米国人以外の軍人がいるが、そのほとんどが中南米諸国出身者だ。彼らは入隊した日に米国市民権の申請ができ、市民権獲得から入隊までに必要な五年の期間は考慮されていない。国防省によると、目標は米軍内の中南米諸国出身者の割合を現在の約一〇%から二二%までに上げることだという。
米軍の勧誘員は米国の貧困地区に入って小学生に話しかけたり、メキシコ国境を越えて学校を中退した若者にパンフレットを配ったりして勧誘活動を行う。五月にはメキシコ・チジュアーナ市の学校で勧誘員が校長につまみ出され、メキシコ政府が抗議するなど、米軍の勧誘は外交問題にも発展している。