9月11日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】電話架設数は室内固定電話の三千九百十万台に対し、携帯電話が三千九百三十万台と超えた。昼間に外出したり出勤する人が多く、家庭の固定電話は不要になっている。
また固定電話の基本料金三十レアルより、携帯電話の月百五十レアルは実用的で割安という見方もある。
通話料は固定が一分〇・〇四レアルに対し、携帯は〇・一四レアル、プリペイドが〇・三六レアルと高額だが経費をコントロールできる利点がある。十年後は格段に値下げされる見込み。
固定電話が減って携帯電話が増えるのは、ブラジルだけの現象ではない。米国は二〇〇〇年、七百五十万人が固定電話を電話局へ返還して、携帯のみにした。米国には夜間の一定時間や土、日曜日など、携帯電話に無料で通話できたり、市内の通話料金で遠距離通話ができる制度がある。
携帯電話は現代人の生活スタイルの変化に伴い、すっかりビジネスと生活に定着した。二十四時間、携帯電話に縛られることを生きがいとする人もいるようだ。いくつもの職場をかけ持つ人が増え、携帯電話とノートパソコンが現代人のシンボルとなっている。
家族に一個の家庭電話に対し、携帯電話は一人一台の時代といえそうだ。携帯電話に対する概念も、単なる機器から携帯する人の体の一部分と変わりつつある。機能つき携帯電話も次々登場し、携帯電話が私生活をむしばむ勢いで普及している。