9月11日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十一日】リサイクル産業がいま、注目されている。サンパウロ州工連(FIESP)が産業廃棄物取引所を開設し、五百八十二社が会員として登録された。FIESPは会員でなくても、規則に従えば産業廃棄物を売買できると説明している。
大サンパウロ市圏で月間一万三千トンのプラスチック廃材が再生されている。紙は昨年、四一%が再生された。アルミ缶は実に八七%が回収され、年間八億五千万レアルの巨大産業に育っている。ガラス廃材はまだ三%に過ぎないが、年間五千万レアルの取引となっている。
産業廃棄物の中には、ゴムや乾電池、蓄電池などがある。関心のある人は、何をどのくらい、支払い条件などをFIESPに申し出れば受け付ける。競売参加者は三六%が零細企業、四三%が小企業、一五%が中企業、六%が大企業の陣容で、前回の総取引額は八千三百万レアルに上った。
リサイクルは、A社の廃棄物がB社の原料になる。A社には不時の収入となり、B社には原料のコスト低減につながる。かつて「スカッタ(廃棄物)の王様」というドラマが放映されたころは、笑い話に過ぎなかった。いまはスカッタの王様が続出し、経済的現実となっている。
二〇〇二年のリサイクル産業の総取引は、全国で四十億レアルであった。同業界では廃棄物を選別する零細企業がカギを握っている。サンパウロ州議会は廃棄物の回収と選別を行う零細企業に、何らかの奨励策を講じることを検討している。
現在産業廃棄物の七八%が、未処理で廃棄される。市が回収する廃棄物の内容は紙類が四一%、プラスチックが一八%、ガラスが一三%、金物が一一%、その他が八・五%、生ゴミが六%、アルミが一・五%だ。
紙は現在、ピニェイロスの紙回収組合に集荷され選別される。次にリモン区の工場で細かく裁断され、印刷インクを除去する工程へ回って、紙の原料となる。
トゥボペット社は、ペットボトルの廃材で下水用のPVCパイプを製造している。既存製品より一五%割安になると張り切っている。日本ではペットボトルが、繊維をはじめ百八十種類の製品に加工されている。
サンパウロ市は家庭が排出する選別ゴミの利用率を、現在の一%から二〇〇四年までに一〇%に引き上げる計画だ。現在の三十一区に今年、十四カ所の廃棄物選別センターを設置する。計画が実施されるとセンターの周辺に回収組合やリサイクル業者が集まり、一大ゴミ産業が形成されると予想される。
サンパウロ州の廃棄物業界は現在、次のような組織になっている。まず底辺に、個人の回収人がいる。廃棄物組合が回収人から受け取り選別する。それを大小二百四十の廃棄物業者が梱包またはプレスを掛け、リサイクル業者へ渡す。百三十のリサイクル業者が製品に再生。 廃棄物業者の月商は、紙が手作業梱包で十一万八千レアル、機械梱包で六十三万レアル。ペットボトルはプレス梱包で四万五千レアル、粉砕チップで二十三万三千レアル。買い物袋やホース、バケツなどを再生用粒状にすると十五万から二十万レアル程度とされる。