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コラム 樹海

 NYの真ん中で起きた爆破テロの凄まじさは歴史の流れを変えた。イスラム過激派「アル・カーイダ」によるハイジャック二機が世界貿易センター・ビルの南北の両棟に突入した惨劇は世界のTVで放映され人々に深い衝撃を与えたのは記憶に新しい。ブッシュ大統領は「二十一世紀の新しい戦争だ」と演説しテロとの闘いを宣言した▼アフガン戦争とイラク戦争も国際的なテロを各地で展開する集団との闘いなのである。米大統領の「勝利宣言」もあるし戦争には勝った。しかし―。最高指導者・ウサマ・ビンラーディンとイラクのフセイン元大統領も逃亡しているし裏面で活躍している。ビンラーディンはTVに登場して「対米テロの続行」を宣言。イラクの不穏な空気もフセイン一派の暗躍に起因するものが多い▼こうした点からすれば「戦争は今も続いている」と見た方がいい。ブッシュ大統領はテロとの闘いを「長い戦争」と語ったけれども、戦争終結までにはまだまだ時間が掛かる。米大統領が八七〇億ドル(約十兆二千億円)もの戦費を議会に要求したのも、アフガン・イラク戦争の長期化を物語る。ブッシュ大統領は十日に演説を行い「テロリストへ死刑適用」も要求している▼こうした背景のもとに開かれたNYの爆心地での追悼式は厳粛さと悪魔の所業で命を奪われた二七九二人の犠牲者遺族の涙が溢れるテロへの闘いを宣言する式でもあった。あれから二年。あの同時多発テロでは三〇一六人が尊い生命を失った。国際的なテロとの激しい闘いは始まったばかりなのである。     (遯)

03/09/13