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2年半で約1,2万人殺害=サンパウロ市=検挙率24%、黙秘が障害

9月16日(火)

 【アゴーラ紙】サンパウロ市では〇一年から〇三年六月までの二年半の間に一万二千三十四人が殺害され、そのうち、九千百五十九人の被害者の殺害犯人が逮捕されていない。サンパウロ市警殺人・事件捜査・被害者保護課(DHPP)が犯人逮捕に至った被害者数はわずか二千八百七十五人(二三・九%)となっている。
 〇三年一―六月殺人事件被害者は二千二百二十九人で、犯人が見つかった被害者は七百四十二人。前年同期にはそれぞれ二千四百三十三人、四百三人だったことから、被害者数は二百四人(八・四%)減少し、逮捕率は一六・六%から三三・三%に上昇した。殺人動機のトップは麻薬密売で、復しゅう、強盗、バールでのけんか、怨こんが後に続く。
 DHPPのパウラ・ネット課長は証人の黙秘が事件解明の障害になっていると話す。殺人事件の多くが「沈黙の掟(おきて)」が支配する周辺貧困地域で発生するため、多くのケースで捜査官は無力感を味わう。「殺人現場の保全が完全でないことも問題だ」と同課長は述べた。
 同課の捜査官七百人はフル稼動状態だ。事件の早期解明が目標だが、逮捕にはすぐつながっていない。事件解明のカギは被害者と犯人の関係で、その点で復しゅうと怨こんが動機の事件は捜査が容易い。証拠集め、取り調べ、アリバイ崩しも捜査のポイントになるという。