9月16日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】ブラジルの州の中でもヨーロッパ人が多いリオ・グランデ・ド・スル州だが、遺伝子を調べると、アマゾン地域とほぼ同じ割合でインジオの遺伝子を持つ人がいることが確認された。
同州の研究者たちが南部地域の町、アレグレッテとバジェの住民各五十二人のDNA(ミトコンドリアDNA)を分析した結果、同住民の六二%が十九世紀初頭に絶滅したインジオの種族、シャルーア族とミヌアーノ族の女性の子孫であることが判明した。約一千万人の人口を抱える同州では七十六万二千人が混血、わずか三万八千人がインジオとして申告している。一方、イタリア、ドイツ系移民が入植したセーラ・ガウーシャ地域には原住民の遺伝子はほとんど残されていない。
同州南部地域やウルグアイといった、古くはバンダ・オリエンタルと呼ばれていた地域を支配していたシャルーア族とミヌアーノ族は、北アメリカ大陸の大平原に住んでいたインディアンたちと同様、ヨーロッパ人が持ち込んだ馬を捕らえ、ヨーロッパ人の征服に激しく抵抗した。そのため、ポルトガル人、スペイン人入植者は彼らを勇猛な戦士とたたえる一方、絶滅にまで追い込むことになった。
また、同住民のDNAはチリのアンデス山脈地域に住む種族、マプチェ族のそれとも非常に相似することも判明した。「私たちは遺伝子の証しを求めている。ミトコンドリアDNAは、シャルーア族のような絶滅した種族が残した唯一の証しだから」と遺伝子学者のボルトリーニさんは話した。