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映画『ガイジン』のモデル=チトエさん100歳を祝う=企業に制作費協力呼びかけ

9月16日(火)

 映画監督山崎千津薫さんの祖母チトエさんの百歳を祝う会が十三日アチバイア市のホテル・ファゼンダ・イピカで開かれ親族、地元日系人ら約百五十人でにぎわった。
監督の妹で舞台美術家の百合薫さんや五人のひ孫に囲まれたチトエさんは余興の沖縄太鼓の演奏に手拍子で応じるなど元気いっぱい。好物という「子豚の丸焼き」を前に、食欲の方も旺盛の様子だった。
今年末から来年初めにかけて公開が予定される山崎監督の最新作『ガイジン2』は、チトエさんの人生をモデルにしている作品。そこでは日系女性四世代の生き様が描かれるが、明らかに山崎家百年の歴史がベースにある。
 祝賀会後の共同記者会見でその進行状況について語った監督は「千万レアルの制作費用のうち二百万レアルがまだ足りないため、音響効果などの面で未完成」としたうえで、「企業には国に支払う税金分を(文化支援を目的とする)免税処置法を利用して制作費に回して欲しい」とよびかけていた。
 また、監督は現在の国内映画界の活況を「貧困と暴力を扱った作品が目立つ」と評し、「(「ガイジン2」は)移民国家ブラジルのすべての世代が、家族そろって鑑賞出来るものと考えている」。そう違いを強調して見せた。
 国内配給は「アルテ・フィルム」を通じて行われ海外での公開も目指し、「アメリカの配給会社との間で話し合いを進めている」という。
 アチバイア市にはいまもチトエさん、監督の母・秋吉すみこさんが住む。自身が少女期を過ごした土地でもある。当日は映画の予告編が特別公開され集まった地元関係者は大喜び。二千人のエキストラを使って再現された北パラナの移住地の様子や、勝ち組による殺人シーンなどを息を呑んで見守っていた。