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官房長官、金融機関を非難=金利引き下げ要求=産業発展の使命果たせ=金利政策に協力を

9月17日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十六日】ジルセウ官房長官は十五日、金融業者の会合で中央銀行が基本金利(SELIC)を引き下げたのに、銀行は非協力的だと非難した。銀行に対し国際化や企業合併、金融再強化計画(PROER)など、政府は多くの便宜を図ったが、銀行は消費の奨励や生産の促進のために貢献していないと述べた。クレジット・カードは月利一〇%、企業向け運転資金は年利六〇%を徴収して、経済の活性化が起きるはずがないと叱責した。

 中銀が基本金利を引き下げた割合で、市中銀行も金利引き下げを行うべきだと、官房長官は要求した。銀行が政府に対して要望していた金融システムの改正に、政府は応じた。しかし、金融企業は本来の使命である消費や生産など産業の発展に何ら寄与しないで、銀行の資産蓄積にのみ専心していると非難した。
 産業の発展のために適当とされる金利水準に政府が引き下げたなら、銀行もそれにならって企業の運転資金への金利を妥当な利率へ引き下げるか、政府は疑問視していると述べた。長官は銀行は産業発展のための金融機関ではなく、単なる私腹肥やしの銀行になっていると警鐘を鳴らした。
 政府は徹底的に、ぜい肉をそぎ落とした。今度は銀行の番だ。銀行は防御にのみ終始せず消費奨励と生産促進のために自腹を切って欲しいと、長官は要求した。銀行がクレジット・カードに月利七・五%から一〇%を、企業の運転資金に四〇%から六〇%の暴利をむさぼって、ブラジル経済が成長するはずはないと述べた。
 中銀は十六日、月例の通貨審議会を招集する。基本金利は現行の二二%から、さらに二%の引き下げが予想されている。二〇〇四年には現在の半分まで、金利水準を下げる方針のようだ。政府は民主政治の確立には金融システムの近代化が必須条件と考えて、金融業界の要望にこたえたという。
 銀行金利の引き下げは政治問題であり、政府と金融業者の間には協力関係が必要だと、長官は訴えた。それがないなら、政治が介入することになる。景気が後退する中で、銀行だけが肥えるような金融システムはあり得ないとした。
 官房長官の声明に対し金融業界の代表は、コメントを避けた。銀行連盟(FEBRABAN)の八月二十九日付会報によれば、基本金利を引き下げても資金コストは、金融税(IOF)や小切手税(CPMF)など固定税の負担で高くついているとした。
 商品先物市場では、基本金利が年末に一七%から一八%に収まるとの予測で取引されている。六、七月ころから、デフレの様相さえみられた。中銀は月ごとに引き下げるとして、九月末で金利先物を一八・七七%としている。