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遺産相続の累進課税否決=下院で税制改革=ほぼ政府の原案通り可決

9月18日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】下院は税制改革の第一弾、遺産相続税の増税を表決して十六日、政府案が必要数の三百八票を得られず初めて敗北を喫した。相続税は、従来の四%から贈与も含めて遺産相続の上限を一五%とする累進課税としてあった。
 表決は連立与党と野党PFLをも根回し、万全を期したが否決された。議案可決のために、下議五百十三票の六〇%に相当する三百八票の賛成票が必要であったが、得票は二百八十票で二十八票不足した。
 反対票を投じたのは百三十七票。内訳はPPが二八%、PTBとPDTが各々二五%、PVが一六・七%、PMDBが一三%であった。割合でいけば、連立党議員が造反したことになる。
 これは政治的利害よりも階層的利害が先行したと、レベロ下議(PCdoB)が論評。PFLをも取り込んだ議会工作は、バイア勢のACM派とアレルイア下議派の歯がかみ合わなかったのが原因のようだ。
 遺産相続税の増税案否決は、連邦政府への影響は少ない。死亡による遺産の相続のとき、すでに相続税(ITCMD)を州政府が徴収している。否決されたのは、相続税に関する部分のみで他の議案は順調に進行している。
 政府から今回、提出された税制改革案の骨子は次のようなものであった。小切手税(CPMF)の有効期間を、二〇〇七年まで延期。税収の二〇%を保健と教育へ充当する規定(DRU)を、二〇〇七年まで延期。流通税(ICMS)を四十四種類から五種類とし、上限を二五%とする。
 生活必需品セスタ・バジカのICMSを、免税とする。企業誘致の税制恩典は、十一年を限度とする。輸出品のICMSを免税とし、州財政補完のための基金を設立する。燃料税(CIDE)の一八・七五%は州へ、六・二五%を市へ交付。
 零細企業(ME)は、簡略税法により単一税を支払う。地域開発基金の創設、所得税(IR)の二%を充当する。ごみ税は、市単位で法制化する。社会保険納付金(COFINS)は輸入品に課税。相続税は従前通りで、累進税率は中止。