9月18日(木)
【スセッソ誌】テウマ・M・ポーロさんはサンジョゼ・ド・リオ・プレット市で病院の看護婦として十九年間勤務した。ある日上司と衝突して解雇された。看護婦以外何も知らない。どこも看護婦で採用してくれなくて、途方に暮れた。
困り果てた揚げ句、思い切って独立開業にかけることにした。以下テウマさんの体験談が、失業して困っている人へ独立に向けて励ましになれば幸甚という。
彼女は病院時代から、靴に妙な関心があった。売れる靴と売れない靴の知識は少しあった。退職金で田舎町にないハイカラな靴を仕入れ、行商を始めた。靴に関する消費者心理も体得。
【初心者は行商から始める。出店は第二目標。資本金は借りないこと】ブティックの隣の診療所の車庫を借り、第一号店を開店。ほこりだらけで雨の吹き込む汚らしい店だった。
【青い鳥は身近な所にいる。チャンスは期待しない所に、往々あるものだ】昼の休憩時間に大勢の人が小さな店に入るので、オツマミや飾りろうそく、化粧品、装身具も置いた。
【交際を大切にする。友人は情報を持ってくる。臆さない。人の話をよく聞く。いつも第二案を持つこと】ある日、診療所の医師が電気と水道を払えば、応接間を使ってよいという条件を提供した。店は車庫から応接間へ移転した。靴とハンドバッグ、バンドをセットで陳列して、屋号をレ・スリエと命名した。ブティックへ来た客は必ず、靴やバックも求めにきた。
田舎町だが口コミで評判が出てきた。宣伝費がないので、お茶の会を催した。場所を提供してくれた人に土産を持って、図々しく押しかけた。ファッション・ショーも行った。
【商売には流れがある。努力のほかに、波に乗ることも必要だ】このころは田舎町なので中心街の靴店が、同じ商品を安価に売って競争を始めた。価額競争を応対で補うため、顧客は女王様としてもてなす工夫をした。冷や汗の出るようなこともした。
【成長するために、リスクへの挑戦はある。しかし石橋をたたくこと。違う見方ができる人の意見も聞く】ショッピング・センターへの出店は商人の夢だが、経費高のリスクもある。リメイラでは大損をした。時代の先取りなら、フランチャイジーも一考の価値がある。
【経営の成り立つことが第一条件、それができれば次々新しい道が開けてくる】