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デカセギ増加率は低下―愛知、静岡両県に集中

9月18日(木)

 法務省入国管理局は「第四十二回出入国管理統計」を六月末日に公表した。これを受けて、国外就労者情報援護センター(CIATE、二宮正人理事長)は、七月中旬にブラジルから日本への出稼ぎ状況をまとめた。それによると、出稼ぎ増加率の低下、出稼ぎ人口の集中が見られることがあらためて証明された。
 [出稼ぎ増加率の低下]二〇〇二年度までの外国人登録数は、百七十七万人で前年比四・一パーセントの増加を示した。ブラジルは、二十六万人と全体の一四・五パーセントを占め、韓国、中国に続き日本全体で三番目。その一方で、増加率は〇・九パーセントと、中国一一・三、フィリピンの八・一パーセントや全体の増加率と比較すると大きな差異がある。この現象に関して、田中昭彦同センター専任理事は「昨今の厳しい経済状況により、安価な労働力へうつっている」と分析した。
 [出稼ぎ人口集中]外国人登録済みの在日ブラジル人は、主に愛知県、静岡県に集中する。愛知県五万四千人、静岡県四万一千人で全体の三〇%を占める。以下、長野県、三重県、群馬県、岐阜県などと続き全体の八〇パーセントが上位十県に集住する。
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 同センターは八月に「十周年記念国際シンポジウム」報告書を上梓した。報告書は昨年十月二十一日、二十二日に行われた一連の十周年記念事業をまとめたもの。日語、ポ語で書かれており、両方で二百六十七ページ。CIATE地域コラボラドーレスたちの、日本での出稼ぎ体験が中心になる。