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判事、護身に40口径けん銃=講座で実地訓練も=連警は〃生兵法〃を危険視

9月19日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】今年に入って連邦裁判所の判事二人が、何者かによって計画的に殺害された。判事らの間でいま、異様な恐怖感が漂っている。判事らは、特殊部隊仕様のピストル四十口径を護身用に購入し防御講座を受講している。
 ブラジリアでは十七日、司法官三十九人を集め第一回目の防御講座を行った。
講座は、司法官協会(AMB)と司法官養成所(ENM)の後援で開講された。講師は連邦警察から派遣され、司法官の行動範囲での急所や狙われ易い弱点と窮地に陥った場合の危機脱出法などを実地指導する。
 三月にヴィトリア刑事裁判所のアレシャンドレ・カストロ判事、プレジデンテ・プルデンチ刑務所のアントニオ・マシャード監察判事が殺害されて以来、判事らは特別警備下で保護されている。判事らは自由行動を一切禁じられ、豪華な〃刑務所生活〃のような窮屈な日々を送っている。
 パラー州では労働裁のジョルジェ・R・ヴィエイラ判事が、農場労働者の苛酷な使役を裁いたことで何者かから死の宣告を受けた。
 リオ州では判事二十人と裁判所職員が、米国フロリダ州で司法官の護身講座を受けている。リオでは現在、判事四人が昼夜警察の警護を受けている。三人は殺害予告を受けている。
 国会で銃器法が審議されるいま、リオ裁判所は拳銃の購入に関する規定を公布した。裁判所法では判事は安全が脅かされる職務として、自動的に護身用銃器の所有が許される。しかし、四十口径となると判事も検事も含め、国防省の特別許可が必要になる。
 リオ州が公布した拳銃の購入規定は、判事の護身用拳銃の購入は原則として許可されるが、なるべく所持しないように勧めている。
ペルナンブッコ州では判事七十人が拳銃購入を申請した。三人は警察の昼夜警備を希望した。
 連警のレモス長官は判事の拳銃購入を認めるが、拳銃を所持したために起きる事故も必ずあると憂慮している。防御講座の中に射撃訓練も含まれるが、下手に構えるほうが危険であるとみている。
 サンパウロ州はマッシャード監察判事の殺害以後、サウロ保安長官の指示により判事の護身用拳銃の所持よりも、州司法官に昼夜警備員の同行を優先している。またサンパウロ州司法官協会(APAMAGIS)は、司法官を警備する市警や軍警などの特別講座と訓練を行っている。