9月19日(金)
[既報関連]去る四日、サンパウロ州アチバイア市で始まった第二十三回「花といちご祭り」は、十三日と十四日が第二週目。快適な気候に恵まれ州内外から多くの来場者で賑わった。その会場で花といちごに次いで脚光を浴びたのが「もち」(餅)だ。両日とももちつき会場前は長蛇の列となった。
もち米は、蒸すのに約五十分かかる。蒸す量は一回約四キロだ。蒸した米をその場で一回一回、心をこめて丁寧につく。人の手でつくため、大量生産はできない。機械でなく、人の手でつくのが祭りたる所以でもある。ついているときは来場者が足を止めて見入る。特に、非日系人にとっては珍しい光景なので、関係者(長野県出身者が中心)に質問が相次ぐ。
これに答えるのも日本の伝統食文化の理解と普及に役立つので、懇切に応答している。その間にも餅を求めて行列が続く。時間帯によっては待ち時間が三十分近くかかっていた。
今年、アチバイア文協が用意したもち米は一トン(本紙・九月十日既報)だが、第二週目の結果から「きょう(十四日)は百七十キロを用意したが、昼前の流れを見て、三十キロを急きょ追加した。それでも、もちをお求めできなかったお客さんが沢山いて申し訳ないことをした。二日間で三百五十キロ以上が出てしまった計算になるので、在庫のもち米だけで最終の二日間(九月二十日~二十一日)を乗り切れるかどうか」と辻修平会長(香川県出身)が心配するほど〃アチバイア名物〃のもちが脚光を浴びている。
美味しさでも定評となっている「もち」は、花といちごに次いでアチバイア祭典の第三の「名物」入りを果たした、といっても過言でない。週末、花といちご祭り会場に行き、もちを希望する人は早い時間帯に求めるのが賢明のようだ。