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熟した〝移住画家〟8人―独自色の展覧会―生活面の緊迫感、作品に好影響

9月20日(土)

 [既報関連]戦後移住五十周年を記念して「現代日系作家八人展」が二十二日から十月三日まで、サンパウロ総領事館多目的ホールで開催される。テーマは「渡る道―戦後移民アーチスト八人の歩み」。二十二日のイナウグラソンは午後五時から午後七時まで、二十三日からの、通常展覧会は午前九時から午後五時半まで。国際展などで活躍中の、鈴木幸男、若林和夫、豊田豊、広田建一、楠野友繁、金子謙一、近藤敏、越石幸子(敬称略)が出品する。
 十七日、豊田豊さん(七二)、広田健一さん(七一)、金子謙一さん(六八)が、案内のために来社した。
 「私たちは、戦前に移住した日本画家や戦後の二世画家とは違う、いわゆる”移住画家”」と、豊田さんは切り出した。金子さんは「我々は、日本がハングリーな時代に渡伯した。高度経済成長を終えて移住してきた、芸術家とは一線を画する」と、自分たちを定義する。
 五〇年代から六〇年代にかけて日本から、渡航してきた移住画家たち。「画壇の影響が強い日本に嫌気が差して飛び出してきた」と言いながらも「洋画を描いていても、気づかないうちに東洋的なものが出てくる」と、三人は日本の影響に口を揃える。広田さんによると「日本の友人には、私の絵を、『色んな要素が交ざった、フェイジョアーダのようだ』と評される」とブラジルの影響も。さらに広田さんは「ブラジルは経済や治安が不安定なところがあり、生活面で常に緊張感を強いられるのが作品に良い影響を与えている」と現状を分析する。
 話の最後、「芸術は、死ぬまで現役だから気を抜けないですよ」と豊田さんが笑った。展覧会では、彼らの半生の歩みが、作品で披露される。