9月23日(火)
【ヴェージャ誌】サダムフセインはブラジル製兵器を最も多く輸入した。だからイラク戦争をはじめとする各種戦争に負けた。ブラジル政府は自国の兵器産業を再生させる計画を発表した。
その中の優先事項の一つは原子力潜水艦の完全国産化だ。フィーリョ防衛相は海軍技術センターで同原子力潜水艦「シャラーナ」の模型を見学した。同原潜の開発計画は一九七九年に始まり、現在までに約十億ドルが投入された。この模型は歴史上最も高価なものである。同センターは二〇二五年の試作品完成に向けて、さらに五億ドルをつぎ込もうとしている。二〇二五年には、同原潜はスクラップ同然のものになっているだろう。
スクラップについて話すと、ブラジル政府は米軍の中古兵器を元値の何割かで買い取る協定を結んでいる。〇一年に米軍はブラジルにM60戦車九十一台を元値の十分の一の千百七十万ドルで売却した。比較するために例を挙げると、八〇年代に国営の兵器製造会社、エンジェーザは戦車『オゾーリオ』の開発計画に一億ドルを投資したが、試作品は一つも完成しなかった。
ブラジルの兵器産業の、もう一つの”偉大”な挑戦は戦闘機AMXの開発だった。ブラジルとイタリアは同機の共同開発にそれぞれ二十五億ドルを費やした。全世界で八百機を販売する計画だったが、ベネズエラにたった八機売れただけだった。開発費を含めたAMX一機当たりの製造コストは五千万ドル。イタリア人は同機をF―32と名付けた。米国製戦闘機F―16の二倍のコストがかかったからだ。イタリアの裁判所は構造的欠陥の疑いがあるとしてAMXの製造企業に対して証言を求めた。実際AMXはよく落ちた。〇二年の墜落事故でパイロットが死亡してから、イタリアではAMXの飛行が全面禁止となった。
米国防省によると、軍事費世界ランキングでブラジルは第十二番目に位置し、戦争状態にあるとされるイスラエルと韓国がブラジルの前後を占める。ブラジルは軍事費を半分に削減すべきだろう。徴兵義務廃止が近道だ。国営企業、ブラジル兵器製造会社(Imbel)の民営化も軍事費削減につながる。
ブラジル各都市の「市民戦争」は兵器産業にもっと利用される糧となるにちがいない。国内市場に目を向けた政府出資一〇〇%の兵器製造会社、Avibrasはファベーラに侵入する目的を持ち、機関銃と群集に水を浴びせる放水装置を装備した騒乱鎮圧用装甲車「グアラー」を開発した。これが将来に見通しを持つブラジルの姿だ。