9月23日(火)
「赤間先生、あなたは私達の胸の中で生きつづけています」――。先週、満百歳の誕生日を迎えた財団法人赤間学院(赤間アントニオ晃平理事長)の創設者、赤間みちへ院長(宮城県柴田郡出身)の百歳誕生記念パーティーが二十日、ピオネイロ校(サンパウロ市クレメンチーノ区ドトール・アルチーノ・アランテス街一〇九八)で開かれた。会場には約四百人が集まり、みちへ院長の長寿を盛大に祝福した。
みちへ院長は宮城県出身。東京裁縫専門学校(現・東京家政大学)、東北女子職業学校(現・三島大学)を卒業後、一九三〇年に渡伯した。三二年、サンパウロ市のグロッテイラ洋裁学校を卒業し、三三年に夫の故・重次氏とサンパウロ洋裁女学校を創設した。
同校はその後も三五年、日本語小学部、実科高等女学校を増設、三七年にポルトガル語部を新設して連邦政府公認の私立学校となった。三九年、重次氏が病死も、日系コロニアの子女教育に尽力。七一年には日系初となる連邦政府教育省公認、ピオネイロ校を設立した。その後、二〇〇一年には高等部を創設した。
百歳記念パーティーは二十日正午半からあり、アントニオ理事長、赤間馬場エウザ校長ら学院関係者やサンパウロ総領事館から佐藤宗一首席領事、文協から松尾治副会長、ジオーゴ・ノムラ元下院議員など日伯関係者や同窓生ら約四百人が出席。国歌斉唱、国旗掲揚の後、みちへ院長百年史が紹介された。続いて同窓会を代表して内田みね会長が、「みちへ先生のお祝いができて嬉しく思う。先生は生涯を子弟の教育に捧げ、心の支えになってくれた」とあいさつした。
引き続き、教育省から長年、教育協力に貢献したとして、みちへ院長と西村農業技術学校の西村俊治校長にメダルが授与された。そのほか、学院の財団評議委員会が財団協力者のロベルト・シゲオ・ワタナベ氏、故・カツミ・サンダ氏、故・マリオ・オザサ氏にメダルを手渡した。財団は今後も毎年三人に同様のメダル授与を行なうという。
式典後の昼食会では記念CD上映などがあり、特大ケーキが運ばれると、みちへ院長が杖をつきながらもしっかりとした足取りで登場。出席者一同が誕生日の歌を大合唱、みちへ院長は、感動のあまり、目にうっすらと涙を光らせていた。