9月23日(火)
「ヴィヴァ」――。リベルダーデ区に虎党の雄叫びが響きわたった。十八年ぶりのセ・リーグ制覇を祝おうと十九日夜、サンパウロ市リベルダーデ区のレストラン「つばき」で阪神タイガース優勝祝賀会が開かれた。日系社会やブラジル野球界、駐在企業から約七十人が集まり、今シーズンの活躍をビデオ映像などで振り返りながら、「今度は日本一」と喜びを表した。
一九八五年の優勝祝賀会に続いて、兵庫県人会の尾西貞夫会長(六十)らが中心となって企画した。阪神の旗やペナント、ロケット風船などが飾り付けられた約二百平方メートルの会場内は「虎一色」。尾西会長やブラジル猛虎会の青木靖彦会長らは阪神の法被を身につけ、雰囲気を盛り上げた。また、ブラジル・パナソニック社の協力を得て設置された大型テレビには今シーズンの快進撃を振り返るビデオ映像が流され、甲子園の熱気が地球の反対側に再現されていた。
冒頭、青木会長は「私は虎年生まれで、阪神の地元西宮在住」と自己紹介し、今季の阪神の活躍ぶりを振り返った。祝賀会を企画し、様々な手配を整えた尾西会長は「毎年裏切られてきたが、ようやくこの日がやって来た。何より巨人に勝ち越したのが嬉しい」とあいさつ。参加者からブラジルらしく「オーレ」との掛け声が飛ばされた。
「我々が生きている間は実現しないと思った」と挨拶したブラジル代表の佐藤允禧監督の音頭で一同は、乾杯。佐藤監督は「愛知出身なので、特に星野監督を気に入っている。あの熱血ぶりは同じ指導者として共感できる」と笑顔を見せていた。
また、七月にブラジルを訪れた藤本和弘副知事からの祝電も紹介。「ブラジルの地でもタイガースファンが集われ、祝勝会が催されるのを大変うれしく思います」と兵庫県庁タイガースの会会長としてメッセージを贈った。
阪神の法被をまとったサンバチームの踊り子が軽快なサンバのリズムに合わせて、場内を練り歩くと参加者も一緒になってステップを刻み「今度は日本一だ」などと盛り上がりは最高潮に達した。十八年前の祝賀会にも出席した原田昇さんは「うれしいの一言ですわ」と同じく十八年前に同席した網野弥太郎さんと喜びを分かち合った。
また、日系人と結婚後の一九九八年にブラジルに渡った元宝塚の麻路さき(石井麻里子)さんも「阪神の選手には知り合いもいるし、優勝を喜んでいます」と話していた。
約二時間にわたって盛り上がった参加者は最後に六甲おろしを合唱し、「日本シリーズ後にもう一度祝勝会を」と気勢を上げた。