9月25日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】路上での武装強盗が増えて、乗用車の窓ガラスに暗黒色フィルムを張り付ける人が多い。主婦らは、外から車中をのぞかれないので安心できるといっている。通勤に運転する女性は、暗黒色フィルムが気休めに過ぎないことは承知だが、心理的に落ち着くとみている。
窓ガラス用フィルム協会の資料のよれば二〇〇二年、全国で二百二十万台の乗用車が、暗黒色フィルムを張り付けた。交通法規定は窓ガラスの透明度を運転席の前のガラスを七五%、運転席の横は七〇%、後部座席横と後部窓は五〇%としている。
ほとんどの乗用車窓フィルムの透明度は、交通法規(CTB)七十三号の規定に違反しているとされる。依頼者の六〇%は違反を承知の上で、透明度の低いものを注文すると、業者はいう。暗黒色フィルムのために運転手の安全ベルトや携帯電話の使用は見えないと、係官はいっている。
フィルムの透明度違反は百二十八レアル、一回に付き五ポイントの減点。場合によっては係官は、引きはがすこともある。暗黒色フィルムによる夜間の事故も、多いとされる。フィルムを張り付けた業者名を、フィルムにスタンプすることも義務づけられている。
実用や法規よりも、おしゃれで張り付けている人も多い。車体の色に合わせたフィルムの色を、物色する人もいる。ほかに太陽光線の遮断や日焼け防止という人もいる。肌の手入れが職業上重要な人は、おおげさな暗黒色フィルムを使う。
サングラスも不要という。窓ガラスをたたき割られても、ガラスの破片が飛び散らない。プライバシーが守られる。寒い日は車中が暖かい。シートの色あせが防げる。赤外線防止フィルムを付ければ一石二鳥など理由は色々ある。
当局は窓ガラスの透明度を懸念しているが、現行犯で処罰するには透明度を証明する計測器が必要という。スタンプの有無で取り締まっているが、消すこともできるので効果がない。黒一色の五%というケースを摘発するのが現状としている。