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ハッカーはなくならない=〃天才不良少年〃が語る

9月25日(木)

 【エポカ誌】米国防省の航空防衛システムに侵入してパニックを引き起こし希代のハッカーと騒がれたケヴィン・マイトニック氏が五年の刑を終えて釈放された。同氏の評判は世界的なものとなり、ハッカー防止方法の講演依頼は絶えない。サルバドールで開催されたITセミナーに特別講師として招かれ、記者会見に応じてくれた一問一答だ。
 【ハッカーとなった経緯】いたずらは十八歳のころから、新聞や雑誌の編集に侵入して報道内容を改ざんするなどで、遊びが高じた。さらにエスカレートしてITの本山サン・マイクロシステムやモトローラ、ノキアへ侵入し混乱を引き起こした。現在は研究所や政府機関に、ハッカー防止の顧問として活動している。
 【IT技術の安全度は】無防備状態だ。企業や政府機関はPCの操作習得が精いっぱいで、日進月歩の進歩に追いつけないのが現状。ハッカーにもてあそばれるのは、現時点では避けられない。
 【社会工学とは】ハッカー技術の別名だ。例えば〃トロイの木馬〃がある。企業のPCの中に送り込むと、企業秘密を解読できる。電話回線から企業の内部事情を知ることができる。社長に代わって、企業を管理することも可能。 
 【PCを禁じられた七年間は】まさに生殺しだった。七年間はPCに近寄ることも禁じられたので、電話回線から侵入する方法を考えていた。
 【システム侵入の感じは】幼少時から侵入しており学校で、優等生になるより楽しかった。特に難関なシステムほど面白かった。英国の国防省へも侵入して、対空防衛システムを破壊した。英国に行かなければ、不可能な交信にも成功した。
 【ハッカーの動機は】次々浮かぶアイデアの実験。逮捕されるまで、新しいタイプのウイルスを培養して、世界の近代装備防衛システムへ送り込み、大人をほんろうするのが楽しかった。金融システムの崩壊ウイルスも培養したが、今日まで防御法が考案されていない。
 【暗証番号の解読は】政府が発表するほど、企業は金持ちではなかった。解読のために費やした時間と費用を計算すると、ぬれ手であわではない。
 【将来の夢は】教育の機会に恵まれなかった児童のために役に立ちたい。PC犯罪で他人の資金を横領しないように、少年らを指導する。遊ぶ時間が欲しい。