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第44回海外日系人大会=「日本語教育の充実を」=毎年開催続行を決議

9月26日(金)

 【東京支社】二十五日午後一時半より第四十四回海外日系人大会が東京千代田区・シェーンバツハ砂防で開催された。
 華子妃殿下を迎え、新会長の梶原拓・岐阜県知事のもとに、海外からの百三十人の参加者と在日日系人・日本人を加えての大会となった。
 厳しい予算制約を受け、来年からの大会開催が危ぶまれる声があったが、今後も毎年開催が決められた。
 世界の日系人が、年一回集まり、日系人が直面する諸問題を討議し、日本政府への要望をする貴重な大会だけに、中止を心配する声が高かった。今後は、「パンアメリカン大会」と関係をいっそう強化し、大会の充実をはかることとなった。
 式典は会長挨拶につづき小泉内閣総理大臣(代読)、川口外務大臣(代読)に続き各関係者の祝辞。華子妃殿下への花篭贈呈のあと式典は終わり、次に全体会議が開かれた。
 協会理事長の事業報告、外務省移住部長、国際協力事業総裁、浜松市北浜市長らの挨拶があった。
 多くの日系人が働く浜松市の北浜市長からは、日系人との共生のあり方など貴重な意見が語られた。
 全体会議では、つぎの要望事項が全員賛同のもとに決められた。
《1》海外日系人大会は今後も従来通り年一回日本で開催すること。
《2》大会のいっそうの充実をはかるととともに、世界の日系社会とのネットワーク強化の一環としてパンアメリカン日系大会との提携を蜜にする。
《3》大会を活性化し、大会を活気にあふれるものにするために、各世代、とくに若い世代を引き付ける魅力ある日系社会を構築すること。
《4》魅力ある日系社会の構築に、若い世代の育成のための日本語教育の充実をはかる。
《5》教育、とくに日本語教育は、日系人のアイデンティテイーの確立にも不可欠である。
《6》日系就労に一層暖かい配慮をし、環境の整備することを要望する。
《7》在外選挙の登録申請、投票手続きを簡素化する。
《8》二重国籍の認知。
《9》日本政府はアジアの国々の日系人へ思いやりのある配慮をすること。
《10》神戸移住センターを保存し、日系社会のために活用するように再度要請する。
 最後に海外日系新聞協会の受賞式が行われた。本紙の「ペルーからの報告『フジモリ待望論はあるか』」が、昨年の協会賞につづき特別賞を受賞した。