9月27日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ市公民権裁判所は二十五日、パウロ・マルフ元サンパウロ市長が現役時代に犯した違法行為の罰金決済ため、車両二台と不動産の一部を差し押さえた。裁判所の説明では、個人の取引の支払いを公金で支払ったとしている。
差し押さえたのはポルシェ七九年型と三菱MMC三〇〇〇GT九四年型の輸入車二台、フルレンシオ・デ・アブレウ街の店半分であった。市長現役時代の違法行為に対し、元市長の資産を物件として差し押さえるのは、前例のないこととして注目されている。
元市長は物件の使用を許されるが、販売は禁止。損害額を同元市長が支払えば、差し押さえはいつでも解除される。期日までに支払いが実施されない場合、物件は競売に付される。
違反行為は九三年から九六年の元市長任期中に、共犯者エデヴァウド・A・シウヴァ元総務部長とジョゼ・A・マッシャード元法務部長も加わり行われた。判決は二〇〇一年、損害額を価値修正して四十九万三千レアルを市の金庫へ返還するように命令した。元市長らは裁判所に対し、判決無効の手続きを行っていた。
事件はイタイン・ビビ区の一等地にあったガザレ氏の店が、違法建築だとした。元市長と元総務部長は友人のよしみで合法化手続きをするという約束のもとに、店を解体した。元法務部長は解体の翌日、裁判所の命令により店を解体し、市は同場所に六万八千レアルを支払ったと新聞に公報を掲載した。結局ガザレ氏は、店を失った。
同件を審理した税務局第七法廷は、同件にかかわった三人に違法判決を下した。元法務部長に、市から借用した六万八千レアルを返還するよう命令。元市長と元総務部長は職権乱用による違法行為として罰金十三万七千レアルを言い渡した。さらに検察官が、三人の政治活動を禁じた。これは後日、無効となった。
マルフ元市長の弁護団は、高等裁へ判決取り消しのため上訴した。弁護団はガザレ氏の店の件に、元市長は一切無関係だと抗弁した。元法務部長も同件への一切の関与を否定した。新聞公報はしていないし、市から資金借用もしていないというのだ。元総務部長は、探したが不在であった。