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十勝沖地震=安否気づかい親類に電話=北海道協会が義捐金検討

9月27日(土)

 「留学生は無事だった」「親類に被害はなかった」――。日本時間の二十六日早朝に、北海道南部で起きた十勝沖地震は、二度の大きな揺れを観測。二十六日現在で不明者二人、重軽傷者約五百人を出す被害が出ているほか、余震の恐れも残っている。ブラジル在住の北海道出身者は、親類や友人の無事に安心した様子だった。
 地震発生直後の二十六日夕方、北海道協会にはブラジルのラジオ局から現地の反応を知りたいとの問い合わせがあった。同協会では、ポルトガル語を話す北海道在住者を紹介。現在、留学生一人、研修生五人の計六人を北海道に送っているが、大半が被害の少ない札幌市に滞在しているため、直接的な被害は免れたとみられる。谷口出穂会長は発生直後に、札幌市内の親類に電話を入れ、被害の程度を確認している。「留学生らが心配だったので、札幌の様子を聞いたが、たいした事はなさそうだった」と谷口会長。被害の規模などを見極めた上で、義捐金の必要性など支援対策について検討する予定だ。
 在伯歴三十八年になる伊東六子さん(六八)は、二十六日帰宅後NHKニュースで地震の発生を知った。姉が海に面した大森町に住んでいるため、津波の被害も心配したが、電話で無事を確認した。「本当にびっくりしました。電話で声を聞いて安心した」と話していた。
 また、釧路市出身の岡野修平さん(六五)は、自らも死傷者数七百十九人を数えた一九五二年の十勝沖地震を経験。友人から地震発生の知らせを聞いたときには、姉や親類のことを真っ先に心配したという。「当時は津波を警戒して山に逃げた。甥っ子に電話したが、家の中は食器やガラス類が壊れたが怪我はなかったと言っていた」とホッとしたように語った。
 一方、「まさかブラジルにいるときに地震なんて」と話すのが、サンパウロ滞在中の柴田勗・札幌大名誉教授。「台風に続いて、北海道は今年二度目の自然災害の被害に遭っている」と地元を気遣っていた。