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リオ大司教を枢機卿に指名=次期法王の候補者へ=弱者を救援する政治支持

9月30日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】ヨハネ・パウロ二世は二十八日、カトリック教会の職階で法王に次ぐ地位にあたる枢機卿にリオデジャネイロのエウゼビオ・O・シェイド大司教(七〇)ら三十一人を新たに指名した。十月二十一日に、正式叙階のため枢機卿会議が開かれる。
 これで枢機卿は、合計で百九十五人となった。次期法王として八十歳以下の有資格者は、百三十五人。これまでリオの大司教は、伝統的に枢機卿に叙階された。ブラジル全国で枢機卿は、七人になった。
 シェイド大司教は、サンタ・カタリナ州ルセルナ市生まれ。ピアーダとサッカーが大好きでバングーのファン。宗教家が政治に関与するのは賛成だが、政治に教会を利用するのは反対。社会主義も資本主義も弱者への救援がないなら反対し、支持しないという。
 シェイド大司教は、次期法王にアフリカの枢機卿を選ぶと述べた。アフリカは、法王を最も必要としている地域だという。しかし、最大カトリック教国のラテン・アメリカの枢機卿が、当選すると専らの予想だ。
 パーキンソン病で健康不安を抱え、来月で在位二十五周年を迎える法王にとっては枢機卿指名・叙階が最後の仕事となるとの観測が流れている。今回の指名は自らの意に沿う後継法王の選出を実現するため、法王選挙権を持つ枢機卿内に間接的に影響力を行使しようとの意志の表れとみる。
 枢機卿は八十歳未満の場合、法王の死去や引退時に次期法王を選出するコンクラーベ(選挙秘密会議)に参加できる。日時は未定だが二回目の枢機卿会議で次期法王の選出について話し合われるものとみられている。カトリック教会の法王選出は、死後に行う。
 法王は現在、八十三歳で病状悪化のため新枢機卿の氏名発表も何度も中断しながら朗読した。スロバキアを訪問した十一日、あいさつを側近に代読させた。定例の一般謁見が行われる二十四日、腸の不調を訴え行事を中止するなど最近、衰えが目立っている。