9月30日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙】エスタード紙はサンパウロ市の公私立校の学生五百人を対象に、恋愛と性についてアンケート調査(回答者四百四十一人)を実施した。テレビの恋愛シーンや刺激的場面を臆することなく見、性をテーマとする記事を雑誌で読み、「誰それは誰それと土曜の夜をいつもいっしょに過ごす」と話す若者の日常を知る人は彼らが恋愛やセックスだけを考えていると思いがちだが、調査結果は保守的とも言える若者像を浮かび上がらせた。
「あなたはセックスの経験がありますか」の質問に「はい」と答えた学生の割合は三七%、「いいえ」は六三%だった。「別の時代でもおそらく同じような結果が得られるだろう」と青年心理学が専門のペローザサンパウロカトリック大学教授は述べた。
この結果は性体験の始まりが文化的側面よりも青年の成熟過程とより深く関係があることを示していると同教授は言う。「思春期を過ぎ、鏡に映る陰毛や胸の膨らみに驚かなくなった、つまり自身の体の変化に違和感を感じなくなった時に性的関係を持つことができる」。
ユニセフが実施し、昨年の中ごろに発表された調査結果と今回の調査結果は似かよっている。ユニセフの調査では十二歳から十七歳までの青少年五千人のうち、三二・八%が性体験を持つという。
性体験があると答えた学生のうち、四二・五%が「セックスがしたかったから」と答え、「愛していたから」(二二・六%)、「相手を信頼していたから」(一七・七%)、「相手が望んだから」(六・六%)を上回った。
サンパウロ総合大学(USP)の学生の性行動を調査した社会学者、カッチア・ピロッタさんによると、性体験を先に延ばす決断はさまざまな理由でなされるという。「学歴が高いほど、性体験を先に延ばす傾向がある。そうした学生は将来に対する夢と計画が大きく、妊娠など、それを邪魔する出来事を避けがちだからだ」。
「性体験を持ち始める理想の年齢は何歳ですか」の質問に対しては、十五歳か十六歳(男子三五・五%、女子三二%)、十七歳か十八歳(男子三二・九%、女子三四・五%)が多く、理想と現実の相違が浮かび上がった結果となっている。七六・七%(約六七%が十四歳以下)の回答者がすでに初恋をしていることから、若者の意識の中でセックスと初恋は結びついたものとは必ずしも言えない。。また、「恋人と一緒にいることは何を意味しますか」という質問には、抱き合ったり、キスしたりすることが七三・八%を占め、性的関係を含めた学生はわずか四%しかいない。
「大人たちは若者が無差別にセックスすると考える習慣があるが、実際は、彼らにとって性的関係を持つことは相手ときずなを結ぶことなのだ」とユネスコのエイズプログラム責任者のクリスチーナさんは話した。
性について話す相手は、同性の友人(二八・二%)、親友(一九・六%)、異性の友人(一一・四%)と、友人が六〇%近くを占めるが、家族も約三〇%を占める(母親:一六・五%、父親:六・八%、兄弟:六・六%)。ユニセフがブラジルの青少年を対象におこなった調査でも、家族から得る性に関する情報が友人や学校から得る情報よりも信ぴょう性が高いことが示されている。二人の娘を持つイーゼさんは話す。「禁じるとしたくなるって昔から言われているでしょ。だからセックスについて娘たちとたくさん話すの」。