9月30日(火)
【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙】応用経済研究院(IPEA)の調査によると、サンパウロ市では〇二年に十三万八千八百五十八件(死亡事故千二百八十七件、傷害事故二万七千四百八十一件、その他十一万九十件)の交通事故が発生し、被害総額は十億レアルに達した。ブラジル全体では、被害総額は三十六億レアルに上るという。
六カ月間にサンパウロ市のクリニカ病院と救急隊が扱った被害者五百四十八人を対象に実施された調査によると、死亡事故一件当たりの被害額は平均十四万四千百四十三レアルで、傷害事故は平均一万七千四百六十レアル、対物事故のみの場合は平均三千二百六十三レアルとなる。入院を必要としない治療費は四百九十三から二千八百四十九レアル、入院が必要な場合、治療費は一万四千九百三十八から四万七千五百八十八レアルにまで上った。
交通事故は週末、特に夜中に多く発生する。主な事故原因はスピードの出し過ぎと飲酒運転。サンパウロ市交通技術公社(CET)のパウラ交通安全局長によると、シートベルト着用を義務付けた法律が施行された九四年以降、交通事故死者は減少しているという。九七年に速度違反取締カメラ、取締レーダー、電子ロンバーダ(路上埋め込み型速度測定機)が導入されて以降、減少傾向はさらに加速した。九七年までは歩行者が交通事故死者の六〇%を占めていたが、現在は四二%になり、逆に自動車乗員の死者数の割合が増えた。「罰金は運転者の違反に対する意識を高めるための最も有効な手段だ」と同局長は述べた。
心理学者のラビノビック交通心理センター所長・事故被害者協会会長は同局長に賛成せず、一時しのぎの対策は問題の解決にはならないと話す。「ブラジル人はまだ運転行為をお遊びとみなす。相手に対する気遣いと市民性に欠けるからだ」。
CETのデータによると、マージナル・チエテが人身、対物両事故の発生場所の第一位を占める。夜間のスピードの出し過ぎが主な事故原因で、歩道橋を使わずに道路を横切ろうとする人をひくケースもあるという。第二位はマージナル・ピニェイロスで、第三位はアウカンタラ・マシャード通り。以下、ヴィンテトレース・デ・マイオ通り、アリカンドゥーヴァ通りが続いている。