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老人憲章、上院で可決=原案発表から7年経過

9月30日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙】高齢者保護に関する新たな法的措置を規定した老人憲章が二十三日、上院で承認された。同憲章はルーラ大統領により九月末にも承認される予定。
 老人憲章の原案はパイン上議が九七年に下院で発表し、承認までに足掛け七年が費やされたことになる。同憲章の内容は以下の通り。
 ▼統一医療保健システム(SUS)での高齢者の応対優先。
 ▼医薬品、特に常用医薬品の無料化。
 ▼保健プラン月額掛け金の年齢別調整禁止。
 ▼六十五歳以上の高齢者の公共交通機関の運賃無料化。
 ▼芸術・文化イベント、スポーツ、レジャー施設の入場料を五〇%以上割引。
 ▼生計の保証がない高齢者に対する最低賃金支給開始年齢を現在の六十七歳から六十五歳に引き下げ。
 ▼高齢者への暴力、残虐行為、抑圧、差別、放置の禁止。
 ▼老人憲章を違反した場合、関係機関に通報する義務をすべての国民は負う。
 高齢者を生命の危険に追い込んだ者は最高十二年、高齢者を病院や老人ホームに放置した家族は六カ月から三年の禁固に処せられる。また、高齢者の資産や年金などを横領した者には四年の禁固と罰金が科せられる。高齢者を応対する団体の検査も制度化し、違反した団体に対しては活動停止措置が取られる。
 同憲章は人々の高齢者に対する意識を変えるという期待がある一方で、十三年前に制定された児童憲章のようにもっと早くから高齢者に目を向ける必要があったとの声も上がっている。