9月30日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】NGO団体と企業が、ブラジルの大学に黒人学生がほとんどいないという教育問題に取り組むべく力を結集している。
ゼロックス社はNGO団体の『ジェレデス』、黒人女性協会(サンパウロ)と持続可能な発展計画・研究総合センター(Cieds、リオデジャネイロ)と共同で黒人支援計画としては国内最大の、「黒人地位向上計画」を立ち上げた。
七十五万レアルの資金で、同計画はリオとサンパウロで二十人ずつ、計四十人の黒人の若者を選出する。そのうち、三十六人は高校卒業者、四人は高校三年生が選ばれる。第一段階では大学入試を目的とし、選出された若者は予備校に加え、語学学校の学費、コンピューター、毎月二百レアルの奨学金を受け取る。大学入学後は月二百レアルの生活費に加え、私立大学の場合は授業料を同計画が負担する。サンパウロだけで、すでに三百六十三人が選考に応募した。
〇四年以降は年間二百人の若者が選出され、また同計画の資金は企業団体が負担する予定。支援団体結成のためにゼロックス社は現在十八社と接触している。
しかし、誰を黒人とするか、黒人の定義の問題が残る。NGO団体は過去の事例を踏まえ、自己申告と人種差別に遭った経験がある人を黒人と規定している。また専攻学部の選択も問題だ。奨学生は黒人の就学率が低い、生物医学か精密科学の分野を選択しなければならない。
応用経済研究院(Ipea)のデータによると、十八歳から二十五歳までの黒人の大学進学率は二・三%で、白人のそれは一一・二%だという。