エコノミーア

10月2日(木)

 伯米両国は世界貿易機関(WTO)カンクン閣僚会議で衝突したまま二十九日、トリニダード・トバコで開催される米州自由貿易圏(FTAA)閣僚会議に向けて日程作成の準備会議を始める。米側が農産物抜きの決着を目論む限り、交渉の難航は続きそうだ。ブラジルは三地域がそれぞれ個別の協定を結ぶことを提案したが拒否された。
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 マナウスでは魚の皮革で製造した靴、サンダル、ハンドバッグが、観光客から注目されている。魚のうろこ模様は全て異なり、オリジナルなのが受けたようだ。アマゾナス州では毎月、十トンの魚が廃棄される。せめて皮革だけでも利用しようと考えた。次にうろこと粘膜の利用を肥料工場と製薬会社が検討している。       ◎
 九・一一同時多発テロ以来、米国に投資していたアラブ人の資産三千億ドルが米政府の資産凍結を恐れて資産移動を始めた。ルーラ大統領は、その一部をブラジルのインフレ整備へ投資勧誘するという。大統領は十二月、レバノンやシリア、サウジ・アラビア、アラブ首長国連邦、エジプトの五カ国訪問のために日程の繰り合わせを命じた。
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 中共政府が、ブラジルとの直接取引を打診してきた。両国は現在、大豆がほとんどであるが牛豚肉、オレンジ・ジュース、コーヒー、乳製品などの輸入も希望している。中共が本格的買い付けを始めるとケタ違いのために国内市場にも異変が起きそうだ。これまでの貿易額は年間十五億ドルであったが、今年は五十五億ドルに。二〇〇五年には百億ドルに達する模様。