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多くの子供が公園でけが=危険な遊具に注意

10月4日(土)

 【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙28日】さび、はずれかけたネジ、木片が飛び出た板。滑り台の下にあるべき砂の場所にあるのは固い地面だけ―。両親やベビーシッターは子供を公園に連れて行く時、公園の安全性について注意せず、このような点を見落とすことが多い。サンパウロ市クリニカス病院小児科救急部の調査によると、毎日来る患者平均350人のうち、30%に相当する105人が公園などの遊び場でけがをしているという。
 ブラジル技術基準協会(ABNT)は2000年、ブラジル遊具メーカー協会(Abrinq)とともに、公園の遊具の安全基準法14350-1-2を作成した。だが、遊具メーカーの90%が基準法を守っていない。
 ABNTの調査グループの一員で、遊具専門家のイアン・ペーシーさんは、「サンパウロ市でさえ、基準があることなど知らないような鍛冶(かじ)職人に遊具を作らせている」と、あきれている。「遊具関係の訴訟問題などで、基準を守っていればメーカーや遊具のあった施設側に有利になる。そのことを考えても、基準は非常に大切である」とアドバイスした。
 基準には、「これが本当に守られていないのか?」と驚くほど当たり前のことが記されている。「ネジやくぎなどの頭は、子供が怪我しないよう安全処理を施す」「すべての遊具の先端部分は、丸みを帯びてなければならない」などがその例だ。しかしながら、これさえ無視されているケースが多数ある。
 ブラジルの遊具安全基準は、世界でも厳しいイギリスの基準に基づいている。滑り台の角度は最高30度と指定されているが、ブラジルの滑り台のほとんどが45度であり、子供が滑るスピードを速くさせている。
 また遊具が設置される場所は砂地やゴム、芝生など、衝撃を吸収する地面が基準とされる。しかしながら、固い地面に遊具を設置している場所は依然として多い。
 メーカーが遊具製造基準をまだ守っていない現在、大人が安全に注意しなければならない。リリアン・アンドレウッチさんのケースだ。彼女は教育・玩具専門家だが、自分の目の前で娘(5つ)をプールの鉄製の滑り台で大やけどさせてしまった。「娘はぬれた水着姿だった。強い日光にさらされた滑り台は、フライパンのように熱かっただろう。何で気がつかなかったのか」と自分を責めていた。