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厚生ホームに「唱歌部」誕生―「五木の子守唄」など練習―部員11人、69~97歳―表情生き生き

10月4日(土)

 ♪「おどま盆ぎり 盆ぎり 盆から先ゃ おらんど 盆が早よもどる」――。平均年齢七十九歳の唱歌部がサントス厚生ホームに誕生した。合唱グループ白埴(オルガ・キリュウ代表)の創立者、高橋知子さん(七六、旧満州国出身)の主導によるもの。入所者十数人が参加している。発声でストレスの発散なると、施設側の期待も大きい。練習風景をのぞいた。
 三日午後、三時前。入所者が居室からサロンに降りてきた。六十九歳から九十七歳までの十一人。視力に問題を持つ人や痴呆のあるお年寄りも。
 この日、「ふじのやま」、「四季の歌」、「うみ」など唱歌中心に七曲を歌った。幼い頃に聞き親しんだ曲だけに、入所者たちも歌いやすそう。表情も生き生きとしている。
 高橋さんは「みんなが楽しく歌うことが大切。音程をはずす方もいらっしゃいますが、そんなことは構いません」と発奮を促す。
 練習は四回目になる。「この前は『五木の子守歌』を音を二度下げてやったけど、今日は音を下げないで歌えた」と実力も上向きのようだ。
 「思い切り声が出せて楽しい」と入所者から好評を博す。
 高橋さんは二カ月ほど前に、厚生ホームに入った。グループ白埴が来月二十二日に慰問することになり、入所者から合唱の指導を頼まれた。
 五~六人集まれば、唱歌部をスタートできると考えていたところ、十人以上が希望した。慰問当日が初舞台になる。独唱を志願する入所者も出た。
 斎藤ホーム長は「お年寄りの表情が明るくなった。健康増進に役立っています」と入所者の〃若返り〃を喜んでいる。