10月4日(土)
ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)主催の〇三年度三井住友銀行基金による学術研究費対象者並びに日系学術功労者に対する表彰状受賞式が、二日午後七時から、文協ビル貴賓室で開かれた。山本喜誉司賞とコロニア文芸賞の授賞式も行われ、関係者約百五十人が出席した。
表彰式には総領事館から石田仁宏総領事、ブラジル三井住友銀行の加藤巌企画部長、小松雹玄JICAサンパウロ支所長ら、関係者約百五十人が出席、文協を代表して、吉岡黎明副会長があいさつした。
三井住友銀行基金委員会の佐藤スナオ委員長が研究者たちのプロジェクトの説明を行った後、その労をねぎらった。
今年度の学術研究費(四千レアル)補助対象者は、リア・ナカノ、メリーナ・ハラ、メリーナ・アカマツ、シルビオ・ザナタの四人でそれぞれに賞状が手渡された。
日系高齢者に対する研究で、ロンドリーナ州立大学で修士号を取得したアナパウラ・宮城さんが表彰を受け、「とても嬉しい。研究の成果が日系社会のためになれば」と話した。
学術研究激励賞にクロビス・ナカイエさん、年間表彰者にはセイジ・平野さんが選ばれた。
コロニア文芸賞には佐藤牛童子さんの「俳句集・朝陰雑詠選集」、宮尾進さんの「ボーダレスになる日系人」が選ばれた。
遠藤勇選考委員長は「様々な分野の八編を選考した結果、(受賞作品二編が)甲乙付け難い内容で二作品入賞とした」と選考経緯を説明した。
山本喜誉司賞にはリオ・グランデ・ド・ノルテ州でメロン作りを二十年以上続けてきた入来田純一(六一年来伯・鹿児島県出身)さんが選ばれた。
欧州で表彰を受けたこともある入来田さんだが「やはり、コロニアで認められたというのは意味が違う。とても名誉な気持ちです」と感動した面持ちで受賞の喜びを語った。
式後に行なわれたカクテルパーティーでは、受賞者を称える言葉と笑顔に包まれた。