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貧民街生活3人に1人 都市圏=改善のため投資増を=国連、世界のスラム街調査

10月8日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】ブラジルの都市圏の住民三人のうち、一人はファヴェーラ(スラム街、貧民街)やコルチッソ(低所得層集合住宅)などの貧窮状態の中で生活しているという。この比率は、ラ米のボリビアやメキシコ、キューバ、エクアドルなどの国々と同率である。現在世界中のスラム街住民数は約十億人。国連は、スラム街対策がとられなければ、三十年後には貧窮状態の都市圏住民数が約二十億人にまで倍増すると警告している。
 国連のスラム街調査によれば、発展途上国では人口の四三%が貧窮状態にある。一方先進国ではわずか六%にすぎない。地域別には、アフリカ大陸のサハラ砂漠周辺の都市圏住民の七一・九%がスラム街に住み、アジア南部では六〇%、ラ米では三一・九%となっている。
 国連の「スラム街の生活環境改善」報告書には、ブラジルの二大州都であるリオデジャネイロ市とサンパウロ市の分析内容が記されている。
 一九八〇~九〇年代、リオ市でスラム街・コルチッソ数が急増した。その多くは改善のめども立たない状態である。
 十月第一月曜日に祝われる「世界ハビタット・デー」の六日、国連人間居住計画(UN―HABITAT)のAnna K. Tibaijuka事務局長は、リオで行われている「ファヴェーラ―バイロ(スラム街地区化)」計画のようなスラム街対策を称賛した。だが、ブラジルはスラム街対策にさらなる投資をし、国民の生活環境改善を図るべきだとも指摘した。
 Tibaijuka事務局長は、基本的な衛生施設がいまだに不足していることを懸念している。「世界で十億人以上の人々が飲み水がなく、約三十億人が衛生施設の整っていない場所に住んでいる」。世界の水資源の一二%があるブラジルでは、八千三百万人が衛生施設のない場所に住み、四千五百万人が水不足に悩んでいる。
 サンパウロ市では、裕福な地域と貧しい地域が同時に成長していき、中心地の周りに巨大なスラム街が形成されていった。このような都市化は調査によると、スラム街やコルチッソの住民たちが「汚い」「犯罪者」「問題点」のように見られる原因だという。同事務局長はまた、九〇年代初期にサンパウロ市はスラム街の都市化計画を実行したが、コルチッソは後回しにしたと言明している。