10月9日(木)
【ヴェージャ誌】SBTが九月七日、放映した首都第一コマンド(PCC)の取材番組がねつ造であることが発覚した。検察官の放映禁止要請と地裁判事の受理、さらに州高等裁判事の禁止継続処置で、アウグスト・リベラット氏の日曜番組「ドミンゴ・レガル」は大損害を受けた。
ねつ造に応じた偽PCCメンバー二人は、SBTを解雇され失職した。ねつ造番組を下請けしたプロダクションは、〃悪ふざけ〃の罪で訴えられた。当のリベラット氏は、人身保護令を申請して起訴を免れた。
リベラット氏はSBTに雇われた単なる司会者で、番組作成の中身については全く知らないと、警察で証言した。またアウキミン知事と交友があることを、警察に示唆したという。SBT責任者のシウビオ・サントス氏は放映の五日後、事件を知って番組のテープを検閲したと述べた。
ブラジルのTV番組では、二つの恥部が明らかになった。一つはリベラット氏がタクシーの運転手に扮(ふん)して純朴な人々を愚弄した低俗番組がまかり通る。もう一つは、テレビ局首脳部の価値観だ。リベラット氏は広告の急減とSBTとの契約更新を心配して、少し反省するかも知れない。
漁夫の利を得たのは、TVグローボのファウストンだ。最近人気のある番組は、家庭をテーマとしたものが評判がよい。しかし低俗番組は、終わったわけではない。それを決めるのは、視聴者だからだ。TV番組は気まぐれで人騒がせものが、人気を呼ぶのは世界共通。 地裁判事や州高等裁判事の放映禁止処分は、過去に犯した犯罪への判決ではなく、未来に犯す可能性のある犯罪への判決だと批判が多い。バストス法相も、司法官の仮処分は大人気ないと評した。この事件は、全員が誤ったといえそうだ。