10月9日(木)
国際交流基金主催の日本語教育指導者養成プログラムに参加した遠藤麻樹さん(三二)がこのほど、帰国した。一年間で修士号を取得するという過密な日程の中、「ブラジル都市部の日本語学校における日本語教育に関する意識調査」と題した研究論文をまとめた。 このプログラムは国立国語研究所と政策研究大学院大学と提携して実施されているもの。〇一年にスタートし、ブラジルからは松酒早苗クリスチーナさんに続いて二人目の参加者になった。
平日に授業を受け、週末を論文作成に当てた。「遊ぶ時間もなく、ブラジルに戻ってやっと息がつけたところ」だ。
研究では、サンパウロ市とインダイアツーバ市(SP)内の日本語学校三校を取り上げた。父兄六十人、生徒五十九人、教師八人、経営者五人に面接とアンケート方式により調査した。
日本語学習の動機について、父兄、生徒の間では「就職に役立つ」、「留学したい」といった内容が目立った。一方、教師は「礼儀作法など文化の継承」を挙げ、親子と学校に意識のずれがあることが証明できた。
教師側も学習者のニーズに合わせた授業を行おうとの考えを持っている。具体的な取り組みまだまだ、進んでいなかった。
日本語教育の現状について遠藤さんは、大ざっぱに把握していただけ。「このプログラムに参加、論文を書いたことで、理解が深まった」。
都市部の日本語教育に適合したカリキュラム作成するのが目標だ。その第一歩になったようだ。今回は自己申告による調査だったが、次は、テストの実施や授業参観で実態を掴むつもりだ。